同一化(同一視)とは?憧れの相手を自分に取り込む心理と投影との違い

同一化(同一視)について解説します。恋愛などで、相手と自分を「同一の存在」とみなすことには、どのような効果や危険性があるのでしょうか?

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同一化とは?恋愛にも影響する心理学

「同一化」という言葉をご存知でしょうか?

これは、「憧れの存在」を自分に取り込み、自分の価値を高めようとする心理のことをいいます。

例えば、

  • 服装やメイク
  • 言葉遣いや仕草
  • LINEの文章やスタンプ

こうしたものを無意識のうちに真似して、その対象の性質や魅力を、「自分のもの」にしようとするのです。

「なんとなく、心当たりがあるかも……」と感じる人も多いかもしれませんが、同一化の根底にあるのは「不安を解消したい」という心理です。

憧れの存在を真似ることで、劣等感などの「自分への否定的な気持ち」から解放されることができるからです。

同一化は「同一視」と呼ばれることもあり、恋愛にも大きな影響を与えています。

この記事では、同一化(同一視)について、詳しく解説していきます。

【結論】同一化は悪いものではないが注意が必要

同一化は、恋愛にも影響する心理であり、それは必ずしも悪いものではありません。

ただ、場合によっては同一化によって、周りとの関係がこじれてしまうので注意が必要です。

同一化は不安の解消や成長に繋がる

冒頭でも触れた通り、同一化とは「憧れの存在」を自分にトレース(模倣・真似)する行為です。

それによって劣等感などの「自分への否定的な気持ち」や「周りより劣っている」という不安な気持ちを解消させる効果が期待できます。

また、他者の思考・行動を取り入れることが、結果的に自分自身の成長に繋がる場合もあります。

本人に自覚がないケースも多い

例えば、人見知りな女性が社交的な彼氏と付き合うと、自分自身も自然と人付き合いができるようになったり、付き合いが好きになるかもしれません。

これは、彼氏が持つ「社交的」という特性を、自分の中に取り入れた結果です。

他にも、

  • 憧れのインフルエンサーのメイクを真似する
  • 憧れのアニメのキャラの口調を真似する
  • 好きな人が着ている服と同じブランドの服を着る

こうした行為を通して、自分に自信が持てたり、立居振る舞いが変化し、周りに与える印象が変わる場合もあります。

同一化は本人に「真似をしている」という自覚がないケースも多く、周りからは「真似」に見えても、本人は「自分の個性」と思っているような場合もあります。

悪い方向に働くパターンも…

「同一化」とは、「本来別々のものを同じものとして見てしまう心理現象」を言います。

これは、自分の中にある不安を和らげるための行為で、好きな人や憧れの人に対しては「真似をして、自分の価値を高める」という形で現れることが多いです。

また、同一化は「自分にとっての恐怖の対象」に対しても、行われる場合があります。「攻撃されたくない」「相手が怖い」という不安やストレスを和らげるために、その対象と同じように振る舞って、「自分は弱者ではない」「自分は安全だ」と思い込もうとするのです。

例えば、いじめっ子の周りには「同じような言動をする取り巻き」がいたりしますが、それには「自分は被害者になりたくない」という心理も関係しているのです。

同一化と投影の違いとは?投影同一化の解説

同一化は「別々のものを同じもののように感じてしまう現象」のことを言います。

一方、心理学には「投影」という言葉もあり、これは「自分を相手に投影してしまう現象」のことを言います。

ここでは、「投影」と「同一化」の関係について、分かりやすく解説していきます。

投影は相手に「押し付けること」

同一化と投影には似ている部分がありますが、同一化が「相手と自分を無意識に同じものとみなすこと」であるのに対して、投影は「相手の中に自分を投影させること」を言います。

例えば、「好きな人の言葉遣いを無意識に真似してしまう」というのは同一化であり、根底にあるのは「自分の価値を上げたい」「不安を解消したい」という心理です。

一方、投影の場合は、自分の中にある感情や性質を「相手の中」に見出します。

  • 好きな人と目が合うと「相手も自分が好きだ」と思い込む
  • 苦手なクラスメイトに対して「向こうも自分が嫌いだ」と思い込む
  • 自分が浮気をしている時に、「恋人も浮気をしているのでは?」と疑ってしまう

この根底にあるのは、「そうであって欲しい」という願望です。そうすることで自分の行動を正当化できたり、相手を責めることで「自分は悪くない」と感じることができるからです。

相手の感情を支配するのが投影同一化

また、心理学には「投影同一化」という言葉もあります。

これは、相手の中に自分の感情や特質を投影させるだけではなく、実際に相手を「その投影の通り」に動かそうとする行為や心理的な働きのことです。

例えば、恋人に対してイライラしている(けれど自分ではそれを認めたくないと感じている)時には、その感情を恋人に投影して、「どうしてイライラしてるの?」と相手を責め、結果的に相手をイライラさせて「ほら、やっぱりイライラしてるじゃん」などと言ってしまうようなケースがありますが、これが投影同一化です。

「イライラしている自分」という認めたくないものを相手に投影し、相手をその通りに動かすことによって「これは相手の問題だ」と考え、自分を正当化してしまうのです。

根底にあるのは、「イライラしてしまう自分はダメだ」という劣等感やコンプレックスであり、それから逃れたいという気持ちです。

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同一化しやすい人の特徴とは?

同一化しやすい人には、どのような特徴があるのでしょうか?

自分に自信がない

同一化しやすい人の特徴として最初に挙げられるのは、自分に自信がないことです。

劣等感が強かったり、コンプレックスがある人は、「自分の価値を上げたい」という気持ちも強くなります。

そのため、同一化や投影をしやすくなります。

不安や緊張が強い

不安や緊張が強いと、「そこから逃れたい」「解放されたい」という心理も強く働きます。

例えば、

  • 収入が安定していない
  • 周りに頼れる人がいない
  • 体調があまり良くない

こうした状態だと、同一化しやすくなる場合があります。

同一化することで、安心感を得ようとするからです。

人に依存してしまいがち

自分に自信がなかったり、不安や緊張が強い状態の時は、他人に依存しやすくなります。

そして、依存しやすい人は、同一化もしやすくなります。

「自分の意見や考え」よりも、「相手の意見や考え」の方が正しい(優れている)と思ってしまうからです。

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同一化が恋愛に与える悪影響

同一化は、恋愛にどのような悪影響を与えるのでしょうか?

相手に違和感や不信感を与えてしまう

「好きな人の真似をする」というのは、可愛らしい行動にも思えますよね。

実際、小さな子供が憧れのスポーツ選手の真似をする姿などを見ると、微笑ましく感じるものです。

しかし、大人が同じことを、しかも身近な存在に対して行うと、相手に違和感や不信感を与えてしまう場合があります。

真似されることで「自分の個性」を奪われているように感じることもあるので、「なんか嫌だな……」と感じる人も少なくありません。

恋人と自分を切り分けられなくなる

同一化してしまうと、恋人と自分を切り分けられなくなる場合があります。

「恋人が幸せなら自分も幸せ」「恋人が認められたら自分も認められる」

こんな風に、「恋人の価値や感情」を、「自分のもの」として捉えてしまうからです。

恋人の人生と自分の人生は、全く別のものなのですが、その境界線が曖昧になり、恋人に干渉しすぎてしまうようなケースもあります。

恋人を不安解消の道具にしてしまう

恋愛や人間関係において、同一化の一番の問題は、「相手を自分の不安解消の道具にしてしまうこと」かもしれません。

同一化とは、そもそも自分の不安を解消するための、心理的な働きです。それは本来、自分自身で向き合うべき問題なのですが、同一化の場合は相手を巻き込んでしまっています。

好きな人の真似をしたり、自分の嫌な部分を投影したり、相手の行動や感情を支配しようとしたり……。

こうした行動によって、相手から避けられたり、距離を置かれてしまうような場合もあります。

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この記事のまとめ

この記事では、同一化(同一視)について解説してきました。

まとめると……

  • 同一化とは「本来は異なるものを同じものとしてみなしてしまう心理的な現象」のことを言う
  • 自分の劣等感やコンプレックスを解消するために、憧れの存在をトレースするようなケースは多い
  • 自分の嫌な部分を投影し、相手を責めて自分を正当化するような場合もある

と、なります。

「同一化している(されている)かも?」と感じた時には、今回紹介したことを思い出してみてくださいね。

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